トレーニングを始めたころ、あまり体の変化を感じられずに悩んだことはありませんか?また今現在悩んでいる方もいらっしゃると思います。
トレーニングは初めてすぐに体の見た目に変化が起こるものではありません。その変化の特徴を知ることでモチベーションを迷わせることなく集中できると思いますので是非参考にしてください。
○神経適応(筋力向上の初期段階)
筋トレを始めたばかりの頃は筋肉の成長よりも神経系の適応が先行します。これは筋肉を効率よく使えるように脳と筋肉の間の信号伝達が改善されることを意味します。筋力が急速に向上する初期段階ではこの神経適応が大きな役割を果たします。

神経適応の具体的な内容:
筋肉の動員効率の向上
トレーニングを繰り返すことで脳から筋肉への信号伝達が効率化され、より多くの筋繊維を動かせるようになります。
筋肉の協調性の向上
複数の筋肉群が協力して動作を行う際その協調性が改善されます。例えばスクワットやデッドリフトなどで関連する筋肉群の連携がスムーズになります。
筋肉の最大出力の向上
神経系がより効果的に筋肉を呼び出すようになるため最大筋力が増します。実は人間の筋肉の中でサボっている筋繊維もいます。(神経閾値といいます)より多くの信号が筋肉に伝えられるようになった結果、筋繊維の数やサイズが変わらなくても筋力の向上が見られるようになります。
簡単に言うと
神経の通っていない筋肉=寝ている筋肉
使い始めることでまずは筋肉を起こすことからスタートです
見た目が変わらなくても筋肉を起こすだけで身体の動きの変化を感じられると思います
○筋肥大(筋肉の断面積の拡大)
筋肥大とはトレーニングにより損傷した筋肉が修復され以前より太く大きくなること
筋肉のサイズが大きくなるほど発揮する力が増加し、血流量が増加し代謝が向上します。

筋肥大の具体的な内容:
筋タンパク質合成と分解
筋肥大は筋肉のタンパク質合成がタンパク質分解を上回ることによって起こります。筋トレ後に筋肉内の筋タンパク質合成が一時的に増加します。この増加が筋肉の修復と成長を促進します。
ホルモンの影響
筋肥大を促進するためにはいくつかのホルモンが関与しています。
テストステロン:筋肉の成長を促進する男性ホルモンで筋タンパク質の合成を刺激します。
成長ホルモン:筋肉の修復と成長をサポートするホルモンで運動後に分泌が増加します。
インスリン様成長因子(IGF):筋肉の修復を促進しサテライト細胞の活動をサポートします。
メカノトランスダクション
筋肉は負荷やストレッチといった機械的な刺激に反応して成長します。これは「メカノトランスダクション」と呼ばれる過程で筋繊維内の機械的刺激センサーが活性化されタンパク質合成を促進します。
栄養と水分補給
筋肥大には適切な栄養素、特にタンパク質が重要です。トレーニング後に摂取する高品質のタンパク質が筋肉の修復と成長を促進します。また、水分やカルシウム、ビタミンDなどの栄養素も筋肉の回復や成長をサポートします。
どうでしょう?神経適応の項目より難しく感じませんか?
人間の身体が変わっていくことには多くの要素が複雑にかかわってきます。
栄養・ホルモン・休息・適切な刺激、筋肥大期には多くの負荷をかけることになるので
怪我をしないための正しいトレーニングも大切ですね
まとめ
神経適応は筋肥大(筋繊維の太さの増加)とは異なり筋肉の「使い方」に関する適応です。
トレーニングを始めてから神経適応は3~6週間、筋肥大は4週間後からはじまり神経適応が終わるとより顕著に現れます。
その後の数ヶ月間は筋肥大と相まって筋力の増加が続きます。そこにはあらゆる要素が絡んでくるためトレーニングのみならず栄養や休息も大事にしていきましょう。
筋肥大と聞くと「ムキムキマッチョ」になると想像する方もいらっしゃるかと思いますが、
そう簡単にマッチョにはなれないので安心してください。
スポーツでもダイエットでも筋肉を大きくすることは大切です。
自分が必要とするところまで大きくしてそこでやめたらあなたが欲しかったメリットが手に入るはずです。安心してどんどんトレーニングしていきましょう!!
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